ものづくりを含む「クリエーター科」の学生は、全国各地から、森林・林業・木材利用を学ぶ「エンジニア科」はおもに岐阜県内から入学してきます。多くの学生が美濃市内にアパートを借り、通学しています。
ものづくりの1日は、朝8時50分の朝礼に始まり、夕方4時半の清掃・終礼に終わります。大学卒業程度の人を対象としたいわば大学院的なレベルの学校で、朝礼・終礼は不思議に感じる人もいるかも知れませんが、ものづくりに携わる人は規則正しい生活リズムが大切なので、取り入れています。
終礼の後や土曜日にも、学生たちは工房へ出てきて課題制作に取り組んでいます。2年間という限られた時間で木工技術を身につけるため、実習時間以外にもやることはたくさんあります。ただし日曜日は、工房は閉めています。工房にこもらず、体を休め、外のいろいろなものを見て新しい刺激を受けるように勧めています。
森林文化アカデミーは小さな学校で学食がないため、弁当を自分で作って持ってくる学生が多いようです。学校で弁当を注文することもできます(380円から)。また、徒歩5分のところに「食堂喫茶みの」という定食屋があり、学生や教職員も多く利用しています。
アルバイトはできないことはありませんが、課題制作等に集中するため、クリエーター科ではアルバイトはしない学生が多いようです。
(写真:美濃市ホームページより)
森林文化アカデミーらしい、学生と地域の方との交流活動として「曽代イネづくりの会」があります。荒廃田をなんとかしたいという地元の方と学生有志が、無化学肥料、無化学合成農薬での栽培に挑戦しています。田植え、草取りを経て、10月頃には地元の神社に奉納し、11月の学園祭(翔楓祭)ではこのお米で餅つきをします。
また春の「美濃祭り」では、地元の方と一緒に学生有志が「花みこし」をかつぎます。美濃特産の和紙を花に見立てた美しいみこしです。
他に学生のサークル活動としては、「自然を観察する会」や「美術部」などがあります。他にもこれまでにバンド系の活動や、スポーツ系の活動がいろいろありました。
(写真:美濃市ホームページより)
「うだつの上がる町並み」と呼ばれる江戸時代の歴史的景観が保たれた町がすぐそこにあり、清流・長良川が間近に流れる森林文化アカデミーは、学生生活を送るのに最適な環境と言えるでしょう。
ものづくりを学ぶ立場からすると、車で1〜2時間圏内に、日本有数の家具産地・飛騨高山があり、日本中の広葉樹が集まる岐阜・各務原の市場があり、多くの木工作家たちが作品展やイベントを行う名古屋がある、という美濃市は、非常に恵まれた環境です。