森づくりとものづくり、つながっています 〜竹細工と和傘づくりの現場を訪ねる

林業に携わる人は伐った木がどう使われるのか見ることは少ないし、木工に携わる人は材料がどこから来ているか見ることは少ないものです。
だから森林文化アカデミーでは、その2つをつなぐことを心がけています。
今回訪れたのは、美濃市内の竹細工の作業場と、岐阜の和傘部品の木工所です。

竹細工の作業場で案内してくれたのは、アカデミー卒業生の鬼頭伸一さん。いまは1300年の歴史を誇る長良川鵜飼の籠づくりを継承しています。伝統を受け継ぐことの大切さと難しさを話してくれました。


実は6月に学生たちは、この籠づくりに使う竹林整備を授業で体験していたのです。下がその写真。「あの竹が、こんな立派な籠に」と、思いを馳せてくれたと思います。


 次に訪問したのは、和傘部品を作る長屋一男さんの工房。「傘ロクロ」と呼ばれるこの部品を作るのは、全国でもここ1ヶ所だけです。この部品にはエゴノキという木が使われますが、学生たちは来月、このエゴノキの収穫を実習で体験するのです。

戦前に作られた機械を使って加工する長屋さん。あっという間に皮付きのエゴノキが部品の形に削られます。今回はなんと「学生さんもやってみますか?」と言われて1人が挑戦させてもらいました。



どちらが長屋さんで、どちらが学生のものか、お分かりですね。簡単な作業に見えても、うまく材料をセットしないと皮が残ってしまいます。

上の部品に切り込みを入れる機械も戦前からのもの。こちらも学生が挑戦させてもらいました。


森づくりとものづくりがつながっていることを体で感じてもらいました。過去に見学に参加した学生の中からは、伝統工芸の職人になった人もいます。それぞれの学生が、卒業後もそれぞれの現場で、つながりを意識してもらえると良いですね。

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